サプライチェーンDXとその先を見据えたロードマップ

サプライチェーンDXとその先を見据えたロードマップ

2018年9月に経済産業省が「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を公表して以降、多くの国内企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを加速させています。

製品の価値・需要が目まぐるしく変化する中、ビジネスのグローバル化や取引の複雑化によってサプライチェーンにも変化への対応が求められてきました。さらに予測不能な自然災害や地政学的なリスク、サプライチェーンに多大な影響をもたらし、いかに迅速に対処できるかという課題も顕在化しています。

特にグローバル規模の調達購買業務においては、危機対応力が高いレジリエントな(柔軟性の高い)サプライチェーンの構築が必要不可欠です。そのカギを握るのは、サプライチェーンのデジタルトランスフォーメーション(DX)に他なりません。

しかし、サプライチェーン領域ではDXはおろか、ようやくデジタル化に着手し始めた状態です。そのため新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、多くの企業が部品や商品の調達、仕入れが遅れたり、物流コストが上がったりするなど、サプライチェーンに大きな影響を受けました。

本稿ではサプライチェーンのDX化、さらにはレジリエンスや近年重要性が高まっている取引先に対する環境(自然破壊、CO2削減)や人権(強制労働、労働環境)への取り組みを求めるエシカル(倫理的)なサプライチェーンの実現に向けて、どのように高度化を図っていけばよいのか、その方策についてご紹介します。