デジタルアセット管理にDAMを導入する企業が増えている
SNSの普及により、インターネットを通じた広告やプロモーションは個人の趣味嗜好に合わせてパーソナライズされるようになりました。
B to Cサービスを運営している企業の多くはYouTube、TikTok、Instagramなど様々なSNSにおいてターゲットユーザーに合わせた多種多様な動画や画像等のデジタルアセットを頻繁に公開しています。今やデジタルアセットの消費スピードは速まり、現在は1日当たり12億点を超えるイメージが作成されていると言われます。
これらのデジタルアセットは企業にとって資産となる一方で、今後も増え続ける膨大なデータの作成・管理・共有・活用は大きな課題でもあり、従来の管理方法ではいずれ立ち行かなくなることが想定されます。既にグローバル規模でサービス展開する多くの企業では、デジタルアセットマネジメントシステム(以下、DAM)の活用を始めています。
DAMを導入する前の企業が抱えている5つの課題
企業が管理するデジタルアセットには、コーポレートやブランドロゴ、商品画像、プロモーションやデモ用の動画、販促資料など様々なものがあり、適切に管理されないと様々なリスクやストレスを招きます。
社内の共有フォルダに、画像や動画、紙媒体などのクリエイティブデータが膨大にあり、どこに何があるか?どれが最新なのか?わからない..
せっかくスピーディーにクリエイティブを制作しても、社内のレビューや審査に時間がかかりストレスだ..
通販事業を展開していて、商品改定に伴うクリエティブの修正や更新作業が大変だ..
動画はデータ量が大きいため、制作会社とのファイルのやりとりに、多大な時間がかかる..
せっかくDAMを導入したが、使い勝手の悪さから、グローバル含めて、担当者に浸透しない..
1.膨大なデータが管理しきれないことによるリスク
多くの企業において、デジタルアセットはブランド担当者が社内ネットワーク上のフォルダで管理しています。部門ごとに散在しているケースもあれば、一元管理されていても、ファイルが膨大すぎるがあまり必要なファイルを探し出すのに時間とストレスがかかる状態になっていることもあります。
また、公開前の商品やサービスに関するデジタルアセットについては、機密情報として管理する必要があるため、アクセス可能なメンバーを限定するなど複雑な管理が必要です。
さらに、プロモーションにタレントやキャラクターを起用している場合には契約期間等の管理も別途行っているでしょう。これまで日本企業はこれらの契約に比較的寛容で、もし契約期間終了後に、オフィス受付などに掲示しているタレント起用ポスターが貼られていたとしても「なるはやで差し替えておいてください」の一言で済んでいたかもしれません。
しかし近年、日本国内のプロモーションであってもハリウッド俳優やK-POPアイドルなどの海外タレントを起用する企業が増えています。海外では権利侵害に対する課題意識が日本よりも高いため、企業はこれまで以上にブランド管理を厳密に徹底する必要があります。
2.クリエイティブ審査のストレス
戦略的なブランディングに取り組んでいる企業においては、新たなコンテンツを外部公開する前にブランド管理部門によるクリエイティブ審査が必要になることがあります。
事前審査は、ブランド管理部門にとっては「提供したデジタルアセットが適切に利用され、統一されたブランドイメージを打ち出せているか?」を把握・管理するために非常に重要なプロセスです。しかし、クリエイティブの修正指示の伝わりづらさ、メールベースのコミュニケーションで発生しがちなすれ違い、承認者が複数いる場合のレスポンスタイミングのバラつき、承認者ごとの指摘をマージして制作ベンダーへの修正指示を行う煩わしさなど、ストレスの多い工程でもあります。そのためマーケティング部門や商品部門などの担当者にとっては、「せっかくスピード感を持って作成したコンテンツの公開スピードをダウンさせるボトルネック」になってしまいがちです。
3.商品改定などに伴うアセットの更新漏れや重複
現在、企業は「Amazon」や「楽天」、「Yahoo!」ショッピングといったECモールへの出店から自社Webサイト内のショッピングページまで、インターネット上に多くの販売・流通チャネルを持っています。
そのため、もし商品情報やブランドリニューアル、価格改定があった場合には、複数サイトに掲示している商品写真やバナーなどを一斉に差し替えることになります。その際、修正・アップデートしなければならないアセットを洗い出す方法が、担当者の記憶ベースや表計算ソフトを使った管理だけになっていないでしょうか?
対応漏れによるエンドユーザーとのトラブルやブランド毀損を避けるためには、修正対応が必要なアセットを確実に修正・変更するための仕組みが必要です
4.動画ファイルのダウンロード/アップロード作業にかかる時間
動画を活用したOne to Oneマーケティングが増えたことで、以前とは比較できないほど大量の動画コンテンツが制作されるようになりましたが、ファイルサイズが大きい場合、制作工程において大きな負担が発生します。
例えば、制作を依頼している外部パートナー企業から送られてきた動画ファイルは、まず担当者が専用ストレージや確認用環境からダウンロードし、社内ネットワークに格納し直してから、関係者へメール連絡。その後、各担当者からメールで送られてきた修正指示を集約し、パートナー企業へ修正依頼を行う…という一連の作業が確認・修正の度に発生することもあります。校了・配信までに2~3回程度の確認・修正を行う場合は、度重なるダウンロード/アップロード作業に多大な時間がかかってしまいます。
5.導入したDAMを担当者が使用してくれない
世界中に散在するデジタルアセットの管理・運用のために、DAMを導入した企業では、「管理画面の使い勝手が悪く、せっかく導入したDAMを一部の担当者しか使ってくれない」という現実に直面するケースも少なくありません。
特にグローバル規模で拠点・事業所を展開している企業では、日本の担当者は使えても、他国の担当者にとっては非常に使いづらく、導入したのになかなか使用してもらえず、宝の持ち腐れになってしまうこともあります。
増え続けるデジタルアセットの管理を最適化するDAMの選び方
では、世の中に多数あるDAMシステムの中からどのような製品を選べばよいのでしょうか?
DAMを選択・導入するための重要なポイントを解説します。
AIによる検索性向上&機密情報やアセットの利用期限の管理
今後も増え続けるデジタルアセットは、社内の誰もが容易に必要なアセットを探し出せるよう、検索性を高めた状態で管理しておきたいものです。そのためには、全てのアセットに検索用タグを付与する必要がありますが、過去のファイルを遡って人力で一つ一つのタグを設定するのは膨大な時間と労力を要します。
そこで「AI自動解析によるキーワードのタグ付け機能」があることが重要なポイントとなります。写真の被写体の属性や著名人・タレントの人物特定はもちろん、画像に含まれる文字のOCR検出、動画内音声の自動テキスト化も可能なDAMであれば、適切なタグが自動で付与され、検索性を高めることができます。
また、販売前の商品やサービスの写真やロゴなど、機密情報に該当するアセットのアクセス権限や、使用可能期間に定めがあるアセットの利用可能期限を設定・管理する機能があれば、ブランドの健全性維持にも貢献します。
クリエイティブ審査~公開までのワークフロー自動化で効率化
事前のクリエイティブ審査が、コンテンツをスピーディに公開するための障壁となっている場合には、「オンライン校正機能やワークフロー自動化などの機能」があることも重要なポイントです。
煩わしいメールでのやり取りなしにDAM上で事前審査の申請~校正・プレビュー、修正指示をスムーズに進められるだけでなく、その後の公開・管理までも含めて業務効率を大幅に改善します。
さらにマーケティング担当者、ブランド担当者、決裁者などの限られた社内関係者だけではなく、クリエイティブ関連の取引先やエージェンシー、パートナー企業など、全ての関与者がコラボレーションできる機能があれば、その効果は絶大です。
PIM(商品情報管理)連携により、商品情報を一元管理
商品リニューアルや価格改定時などの画像差し替えについても、「各種商品情報を一元管理しているPIMと連携機能」があれば安心です。
複数のオンラインショップはもちろん、オンラインカタログや広告などのプロモーションまで、様々なメディアに掲載されているアセットをもれなく洗い出し、変更することができます。
タレントやキャラクターの契約終了に伴うアセット類の変更忘れや、商品リニューアル情報に際しての変更対応漏れなど、ヒューマンエラーに起因して発生するエンドユーザーとのトラブルやブランド毀損などのリスク回避にも繋がります。
動画など大容量ファイルの管理に適していること
今後もますますコンテンツの大容量化が進むと考えられるため、データ量が大きなファイルのアップロードとダウンロードが高速に転送処理できるという点も重要なポイントです。万が一、転送に失敗した際も一時停止、再開、フィルター、追跡、再試行をすべて行うことができるDAMであれば時間を無駄にすることなく、スムーズに作業を進めることができます。
グローバル基準で直感的に使いやすいUI
DAMは、社内外の関係者全員が使用することで、業務効率改善やガバナンス強化において、より高い効果を発揮します。そのため、グローバル規模で拠点・事業所を展開している企業では、風土・文化・背景が異なる各国の担当者が、重厚なマニュアルを読破しなくても直感的に使うことができるUIのDAMを選択するという点も必要不可欠なポイントになります。
業務効率改善とガバナンスの確立を実現する
OpenText Media Management
これらの課題をクリアするDAMが、エンタープライズ情報管理(EIM)ソリューションのリーディングカンパニーであるOpenTextが提供するDAMシステム「OpenText Media Management」です。
「OpenText Media Management」は、20 年以上の実績を持つエンタープライズ DAM ソリューションで、多くのブランドを保有する数々のグローバル企業が「OpenText Media Management」を採用しています。
AIでの自動タグ付けによる検索性向上、OpenTextのあらゆるノウハウが活かされたコンテンツ管理、ワークフロー構築・自動化機能、高速転送機能などを保有しているほか、バージョン管理やアクセス権限等の管理・運用もできるため、企業のガバナンス強化や業務効率改善にもつながります。
さらに、1つのインスタンス内で10億以上のアセットをスケーリングすることができるため、今後も増え続けるデジタルアセットの一元化に最適なプラットフォームです。
「OpenText Media Management」を採用した多くのグローバル企業にとって決め手となったポイントが、グローバル基準で「直感的に使いやすいUI」をスムーズに導入~運用できる点です。SAPやクリエイティブツール等との親和性が高く開発なしでアドインできるため、新たなアプリケーションの習得なしに効率的にDAMシステムを導入でき、運用開始後もほとんどの操作をドラッグ&ドロップで利用することができるため、グローバル基準でストレスなく使用することができます。
<AIによる自動タグづけのイメージ>
<ワークフローの設定・管理イメージ>
ソリューション紹介動画
Media Managementの導入事例
そこでDAM導入を決めた同社が、さまざまな製品を比較・検討した中で採用したのが「OpenText Media Management」です。導入後は、様々なコンテンツの制作~活用までが統合管理されたことにより、プロセスが大幅に改善。重複して保管されていたアセット類も整理できたことで、かなりのサーバー利用容量を削減できました。顧客やディーラーの求めに対してタイムリーにマニュアルやカタログを提供できるようになり、結果的にサービスレベルや満足度の向上にも繋がっています。