OpenText™ Extended ECM for SAP® SuccessFactors®
コロナ禍において一気に普及したリモートワーク。多様な働き方の実現や、採用力強化、社員のエンゲージメント向上のために、今後も継続する企業がある一方で、個人情報の持ち出しや管理が課題になっている企業は少なくありません。本記事では、リモートワーク時代に求められる入社・契約プロセスの効率化と、人事文書の個人情報保護法対応やDX実現における課題と解決策について解説します。
人事文書は紙とデジタルが混在し、サイロ化している
名前、住所、組織、配偶者、職歴、異動記録、保有資格、給与、評価、目標、マイナンバー、免許証番号―。人事の業務においては、入社から退職に至るまで様々なデータ形式およびフォーマットの個人情報を取り扱います。
それらの保存や管理はどのようにされているでしょうか?多くの場合、履歴書や契約書などは紙でキャビネットや個人の引き出しに、一部の書類はExcelファイルで社内のシェアフォルダに、目標や評価に関するデータは専用の人材管理アプリケーションを使ってクラウド上に保管されています。さらにメール本文に記載されていて、個人の受信トレイの中に…というような事もあるかもしれません。
CartaHRの調査によると、74パ―セントの組織は紙と電子を混在した状態で人事文書を保存管理しています。そして多くの場合、それらのデータはそれぞれが孤立し、システムや情報が連携できない「サイロ化」の状態になっています。
サイロ化してしまうと、特定の人物に関する情報を探すためには、いくつものシステムやファイルを開き、時間をかけて情報をかき集めなければならず、場合によっては、紙で保管されている文書を閲覧するために、物理的に出社が必要となることもあります。
U.S. Environmental Protection Agencyの調査によると、実際にHRマネージャーの業務時間の30~40パーセントはファイリングや書庫に保管されている文書の検索時間に消費されていると言われており、生産性低下の大きな要因の一つとなっているのは間違いありません。
個人情報保護法等を遵守した管理の難しさ
また、3年ごとに見直しされる個人情報保護法への対応も、人事業務における大きな課題の一つです。 従業員の名前と従業員番号が記載された人事文書は「個人情報」に該当するため、個人情報取り扱い事業者は、次の点に対応しながら管理する必要があります。
- 利用目的を本人に通知、または公表
- 個人情報取り扱いに関する本人の同意取得
- 個人データの正確性の確保
- 利用する必要がなくなった個人データの遅滞ない消去(法定管理期間を超えたデータの削除)
- 個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止のための安全管理措置
取り扱いや閲覧権限について厳密に制限するためには、「誰が」「誰の」「どのデータ」にアクセス可能かどうかを細かくデジタルで制御しなければなりませんが、社員のリテラシーに任せた運用や、手動でファイルやフォルダ事の権限設定を行っていると、対応が漏れてしまうことは少なくありません。
また人事文書の保存期間については、個人情報保護法のみならず、労働基準法や雇用保険法施行規則、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則、労働者災害補償保険法施行規則など、様々な法規制で書類ごとの保管期間が定められています。それぞれの法規制を遵守しながら、全ての人事文書を適切に保存~削除を手動で運用するのは大変困難です。
OpenText™ Extended ECM for SAP® SuccessFactors®で
人事業務のペーパーレス化を実現
SAP SuccessFactorsは、人事管理や給与、勤怠などのコア人事業務から、採用、入社、研修、目標・評価、報酬、後継者計画・キャリア開発などのタレントマネジメント業務まで、すべての人事業務を網羅する、日本で実績No.1のクラウドソリューションです。グローバルで8000社、2億人以上、日本国内においても400 社、280万人以上の利用実績があります。
<SAP SuccessFactorsの特徴>
1.幅広い標準機能
One プラットフォームでグローバル・国内の人事システムを統合します。
2.段階的な利用の拡大
人事プロセスにおいて必要な領域から利用を開始できます。必要に応じて徐々に利用範囲を拡大することができます。
3.柔軟な拡張基盤
SAP SuccessFactorsはインターフェースや機能拡張が充実しています。SAP SuccessFactorsユーザーは、様々なクラウド型拡張オプションが利用可能です。
人事文書のファイル管理については、OpenTextが提供する「OpenText™ Extended ECM for SAP® SuccessFactors®」をクラウド型拡張コンテンツとしてご利用いただくことで、入社から退職までに発生するあらゆる文書管理を効率的に一元管理することができるようになります。
<OpenText™ Extended ECM for SAP® SuccessFactors®の特徴>
シームレスなコンテンツ検索で必要な人事データにすぐにアクセス可能
社員の育成や適材配置を検討する際はもちろん、リスキリングなど人材開発業務やモチベーション向上などに必要な人事データを全文検索ですぐに探し出すことができるようになります。データに基づいた戦略的人事判断を強力にサポートします。
ペーパーレス化、電子署名によるハンコレス化、帳票出力業務の自動化
さらに、通知文書についても、デジタル上で作成し配布、電子署名の捺印プロセスまで、クラウドサービス上で完結することが可能になります。これまで製本したものを2つ郵送し、捺印して1通を送り返す…というプロセスを経ていた契約締結業務もスムーズに済ませることができます。
各種法規制への対応
また、グローバルな個人情報保護法にも対応可能な高度なセキュリティを備えており、各種法規制への要件もサポートしているため安心です。誰がどのファイルを見たかログを取得している他、期限管理についても通知や廃棄処理などを自動化することが可能です。
中長期的な採用力強化や多様性実現に向けて
新型コロナウイルスが5類へ移行されたことを受け、現在は在宅勤務からオフィス出社への回帰する動きもある一方で、求職者や社員のリモートワーク希望はコロナ禍以前よりも増加傾向にあります。そのため、多様な働き方の実現や、採用力や社員のエンゲージメント向上のために、リモートワークを継続すべきと考える企業も少なくありません。
「OpenText™ Extended ECM for SAP® SuccessFactors®」は、リモートワークの継続において課題となっていた個人情報の管理を適切に制御できるため、安心してお使いいただけます。人事文書のペーパーレス化により、入社・契約プロセスの効率化を実現するとともに、高度なデータ活用による業務の戦略的な変革にぜひご活用ください。